
結論からお伝えします。
総合型選抜は「学力が要らない、楽な入試」ではありません。
そして、出願の土台になる「評定」と「高校での活動」は、高1・高2の積み上げで決まっていきます。
高3になってから「評定が足りない」と気づいても、そこだけは取り返しにくい部分です。
順番に説明していきます。
【前提】2021年度入試から「総合型選抜」に名称が変わりました
まず名前の話です。
2021年度入試(2020年度実施)から、文部科学省の「大学入学者選抜実施要項」で入試区分の名称が変わりました。
| 旧名称 | 現在の名称 |
|---|---|
| AO入試 | 総合型選抜 |
| 推薦入試 | 学校推薦型選抜 |
| 一般入試 | 一般選抜 |
保護者世代の方には旧称のほうが馴染みがあるかもしれませんが、大学の募集要項には「総合型選抜」と書かれています。
調べるときは「総合型選抜」で探してください。
【総合型選抜とは?】大学が「来てほしい学生」を選ぶ入試
総合型選抜とは、出願者の人物像を大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)と照らし合わせて合否を決める入試です。
簡単に言うと「大学側が来てほしい学生を選び取る」というものです。
選抜方法は大学・学部によって違いますが、実施要項で「必ずやること」が3つ決められています。
① 志願者本人が書く資料を必ず使う
活動報告書・大学入学希望理由書・学修計画書など、本人が記載する資料を必ず評価に活用することになっています。
② 面接による評価を必ず行う
志望する学問分野への意欲や適性を見る面接(ディベート・集団討論・プレゼンテーション・口頭試問などを含む。オンライン実施も可)による評価を必ず行うと定められています。
なお、令和8年度以前から実施されている選抜区分で、令和9年度から面接を導入するのが難しいものについては、遅くとも令和11年度入試までに導入すればよいという経過措置があります(文部科学省通知 8文科高第318号)。志望校の方式に面接があるかどうかは、募集要項で確認してください。
③ 書類だけで判定してはいけない
調査書などの出願書類だけではなく、次のような評価方法のうち少なくとも1つを必ず活用し、募集要項に書くことになっています。
- 大学入学共通テスト
- 大学独自の学力検査
- 小論文・プレゼンテーション・口頭試問・実技・各種検定の成績など
- 出願書類以外の資料
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日付 8文科高第318号)
つまり「書類と面接だけで、学力は一切見ない」という総合型選抜にはならないということです。
実際にどれが課されるかは大学ごとに決まっています。必ず志望校の募集要項で確認してください。

ここが一番誤解されやすいところです。
「学力試験がない入試」だと思われがちですが、共通テストを課す大学も、独自の学力検査を課す大学もあります。
【日程】出願は早くて9月、合格発表は早くて11月
文科省の実施要項では、日程について次のように定められています。
| 総合型選抜 | 学校推薦型選抜 | |
|---|---|---|
| 出願 | 9月以降 | 11月以降 |
| 合格発表 | 11月以降 | 12月以降 |
出典:文部科学省「総合型選抜の出願時期や合格発表時期について」
ここは読み間違えやすいので補足します。
これは「その月から始めてよい」という最も早い時期を決めたものです。「9月に出願が始まる」「11月に結果が出る」と決まっているわけではありません。
実際の日程は大学によって大きく違います。
- 早い大学では、9月に出願して11月に合格発表
- 共通テストを課す方式では、共通テストのあと(年明け)に合否が出ます
志望校がどのスケジュールなのかは、募集要項で必ず確認してください。
【重要】総合型選抜は「楽な入試」ではありません
「AOなら簡単に入れる」というイメージを持っている人がいます。
しかし実際には、次のような点をおさえておく必要があります。
- 評定の基準を設けている大学がある(基準の有無や数値は大学・学部によって違います)
- 志望理由書で「なぜこの大学のこの学部なのか」を具体的に書く必要がある
- 面接で深く質問される
- 共通テストを課す大学では、共通テストの得点が必要になる
- 合格したら必ず入学する「専願」の方式がある(専願か併願可かは大学によって違います。募集要項で確認してください)

総合型選抜だけに絞ってしまうと、結果が出なかったときに一般選抜の準備が間に合わなくなることがあります。
リードアップでは、総合型選抜を狙う生徒にも一般選抜の勉強は並行して進めてもらっています。どちらの区分でも学力は無駄になりません。
【メリット】総合型選抜の良いところ
もちろん、総合型選抜には大きなメリットもあります。
- 方式によっては年内に進路が決まるので、精神的にかなり楽になる
- 合格が早く決まれば、一般選抜で受ける学校を減らせて受験料の負担が軽くなる
- 学力だけでは測られない部分(活動・意欲・適性)を評価してもらえる
- 併願が認められている方式なら、一般選抜と併用できる
受験料の話は、保護者の方にとって小さくありません。
受験校が1校減るだけでも負担が変わりますので、ここは早めにご家庭で話しておくといいです。
【違い】総合型選抜と学校推薦型選抜はどう違うのか
よく混同されるので、表で整理します。
| 総合型選抜 | 学校推薦型選抜 | |
|---|---|---|
| 学校長の推薦 | 原則いらない | 必要 |
| 出願(最も早い時期) | 9月以降 | 11月以降 |
| 合格発表(最も早い時期) | 11月以降 | 12月以降 |
| 主に見られるもの | 志望理由・活動・適性 | 評定・調査書・校内選考 |
学校推薦型選抜には「公募推薦」と「指定校推薦」があります。
こちらは別の記事で詳しく解説しています。
なお、ここも誤解されやすい点です。
東京大学は2027年度入試において「学校推薦型選抜」を実施しており、総合型選抜は実施していません(東京大学「学校推薦型選抜」)。
「難関大にも推薦の道がある」のは事実ですが、どの区分なのかは大学ごとに確認してください。
【高2生の保護者へ】今から間に合わせる順番
ここが一番お伝えしたいところです。
「高1から積み上げるもの」と書きましたが、高2の今からでも間に合います。ただし順番があります。
① 志望校が「どの区分」で募集しているかを調べる
総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜のどれで出すのかで、やることが変わります。まずここを決めないと準備が散ります。
② 残っている評定を取りにいく
高2の時点で、高2後期と高3前期の評定がまだ残っています。ここを上げれば全体の数字は動きます。
③ 活動は「これから」でも形にできる
「部活の実績がないから総合型は無理」と思われがちですが、探究活動・資格・検定・校外の活動など、示せるものは他にもあります。何が評価されるかは大学ごとに違うので、募集要項を見ながら決めるのが確実です。
④ 一般選抜の勉強を並行して進める
どの区分を選んでも、学力は必要です。並行して進めておけば、区分を変える判断もできます。

高2の秋は、区分を決めて動き出すのにちょうどいい時期です。
「まだ志望校が決まっていない」という状態でも、①から一緒に整理できます。
【高1・高2生へ】評定は早いほど有利です
評定は高1の最初の定期テストから積み上がります。
あとから平均を動かすには、残りのテストでかなり良い成績を取る必要があります。だから早いほど有利です。
そのうえで、一般選抜で戦える力もつけておく必要があります。
少し昔の話ですが、私の母校である稲毛高校(県内でも上位の進学校です)でも、“現役”で“一般選抜”で早慶・MARCHといった大学に合格したのは、当時の私の体感として学年で10〜20名程度でした。
※これは当時の私の記憶による体感です。正確な進学実績は各高校が公表しているものをご確認ください。

大学入試は高校入試とは規模が違います。
部活を続けることは素晴らしいことですし、やめる必要はありません。ただ「引退してから始める」だけだと、使える時間が足りなくなりやすいのは事実です。
だからこそ、今のうちに少しずつ進めておくと後が楽になります。
実際に指定校推薦を取った人がどれくらいの成績だったのか、私自身の高校の成績表を公開している記事もあります。
どこから手をつけるか迷ったらご相談ください
リードアップでは、生徒ひとりひとりに合格逆算の個別カリキュラムを作成しています。
総合型選抜を狙うのか、一般選抜で勝負するのか、両方を並行するのか。
その判断も含めて、いつまでに何をやればいいのかが明確になります。
無料体験授業・学習相談を行っていますので、「どこから手をつけたらいいか分からない」という方はお気軽にご相談ください。
以上です!
最後まで読んでいただきありがとうございました!


















こんにちは!検見川浜・稲毛海岸にある進学塾リードアップの山田優輔です。
今日は大学受験の「総合型選抜」(旧称:AO入試)についての話です。